こんにちは!NLPトレーナー&学びのナビゲーターのまそらです。
前回は、私たちが現実をどう捉えるかは「心のフレーム(枠組み)」によって決まること、そしてリフレーミングがその枠組みを柔軟にするための強力なツールであることをお伝えしました。

「ネガティブな出来事も、視点を変えればチャンスになる」—この理論を、実際にどう活用すればいいのでしょうか?
心のフレームを変える具体的な方法を見ていきましょう!
本記事では、NLPの2つのリフレーミング方法を詳しく解説します。
💡 フレームを変えよう!2つのリフレーミング
「フレームを変えよう!」といっても、どうすればいいのか困っちゃいますよね。
そこでNLPでは、物事の捉え方を大きく変えるための、次の2つの方法を提案しています。
- 状況のリフレーミング (Context Reframing)
- 内容のリフレーミング (Content Reframing)
1. 状況のリフレーミング:場所を変えて輝くものへ
リフレーミングの1つ目は、「状況(環境)を変えるとどうなるのか?」と問いかける手法です。
これを「状況のリフレーミング」と呼びます。
ある状況では欠点に見える特性も、別の状況に移せば価値ある資質へと変わります。
例:「頑固者」
柔軟性が求められる状況や、スピード重視のチームでは、この性質はマイナスに捉えられがちです。
・伝統や文化を引き継いでいくとき
・絶対に意見を通さなければならない交渉のとき
・こだわりをつらぬいていきたいとき
その特性が強みとなる場所に移すことで、ネガティブな評価がポジティブな魅力へと変わるのです。
以前、頑固おやじの漬物屋というお店を見かけ、「美味しそう!」と思わず思いました。
まさに「頑固さ」が大きな魅力に変わった良例です。
✨ 環境を変える状況のリフレーミング例
| 特性(短所に見える特性や行動) | 別の状況・文脈(コンテキスト) | その状況での価値(強み) |
| 神経質/心配性 | 品質管理、経理、緻密な計画立案 | リスクを事前に見抜く高い警戒心、ミスを許さないチェック能力 |
| 口下手/無口 | データ分析、集中作業、チームの聞き役 | 周囲の情報を冷静に分析する客観性、人の話を遮らない傾聴力 |
| 飽きっぽい/気が多い | 新規事業開発、企画職、トレンド分析 | 従来の枠に捉われない斬新な発想力、多角的な情報収集能力 |
| 大ざっぱ/細かいことを気にしない | 意思決定、経営判断、緊急時の対応 | スピード感のある意思決定力、些細なことにこだわらない度胸 |
| 負けず嫌い/競争心が強い | 営業目標達成、スポーツチーム、技術開発 | チームや組織を引っ張る強い推進力、目標達成への執着心 |
2.内容のリフレーミング:出来事の意味を変える
2つ目は、「別の捉え方をすると?他の意味は?それの良いところは?」など、問いかける手法です。これが「内容のリフレーミング」です。
これは、目の前の出来事の解釈や意味を変えることで、感情を変化させます。
例:「頑固者」
・責任感がある
・信念を持っている
・ゆずれないものがある
出来事の解釈を変えるえることで、同じ事実でも感情的な影響をポジティブに変えることができます。
もちろん、かならず「イコール=良いもの」になるわけではありませんが、「そうも受け取れるかもしれない」と捉え方の選択肢を広げ、決めつけないことが大切です。
📝 出来事の意味を変える:内容のリフレーミング例
| 出来事(ネガティブな解釈) | 別の側面や意味(ポジティブな解釈) | 感情的な変化 |
| 失敗した、もう終わりだ。 | この方法ではうまくいかないことがわかった。次に成功するための具体的なヒントが手に入った。 | 絶望から学びと再チャレンジへ |
| 退屈で単調な作業だ。 | 集中力や忍耐力を鍛えるメンタルトレーニングの時間だ。 | 嫌気から自己成長の機会へ |
| 批判ばかりする、嫌な上司だ。 | 期待されているからこそ、厳しいフィードバックをもらえている。 | 拒否感から承認欲求の充足へ |
| 友人と喧嘩し、関係が険悪になった。 | お互いの譲れない価値観や本心を知る、深い対話の機会が生まれた。 | 怒りから関係の再構築へ あるいは関係の整理へ |
| 自分は経験不足で自信がない。 | 新しいことを学ぶ余地がたくさんあり、成長の可能性がある。伸びしろばっかりだ。 | 劣等感から未来への希望へ |
リフレーミングを体験するシンプルな質問
さあ、あなたの日常にもこのリフレーミングを応用してみましょう。
今、あなたがネガティブに感じている出来事、または自分の特性を一つ思い浮かべて、次の質問を自分に投げかけてみてください。
- この特性が役に立つ状況はどこだろう?(状況のリフレーミング)
- この出来事の、ポジティブな側面や成長につながる意味は何だろう?(内容のリフレーミング)
最初はうまくいかないかもしれませんが、大丈夫。
リフレーミングは繰り返していくことでどんどんうまくなり、体に染みついて自然とできるようになっていきます。
子供のころ、最初は書けなかった自分の名前も練習していく中で体に染みつき、今は自然と無意識に手が動きますよね?それと同じです。
リフレーミングにチャレンジし続けることで、あなたはネガティブな感情に支配されることなく、自分の人生の「フレーム」を意図的に選択する力を身につけることができるのです。
リフレーミングをする際の注意点
「リフレーミング≠ポジティブへの変換」です。
例えば、大切な大学入試がうまくいかず、落ちてしまった時に
「新しいチャレンジのきっかけになる!」
「今の自分の実力がわかった、来年のためにどうすれば良いのか考えよう!」
すぐにこんな風に切り替えられるでしょうか?
大丈夫な人もいるかもしれませんが、実際問題、なかなか難しいですよね。
上記の入試の例だと、その時は変にリフレーミングせず「入試に落ちてショックだ」とただ率直に気持ちを受け止めたり、吐き出すことの方が大事かもしれません。
実際、「大きな仕事を任されてプレッシャー」と思っているのを「期待されている証拠!」「成長する大きなチャンス!」とポジティブにリフレーミングし、むりやりやる気をだしたもののすぐにやる気を失い、かえってしんどくなってしまったという方がいました。
リフレーミングは変にポジティブにする必要はありません。
一致感、しっくり感があることが大切です。
🌟 おわりに:心の「枠組み」を調整する
リフレーミングは、知識として知っているだけでは意味がありません。
あなたが実際に日常の中で「一歩立ち止まり、問いかける」練習を続けてみることで、はじめてその真価が発揮されはじめます。
練習を続ける中であなたの心の柔軟性は高まり、やがては無意識のうちに自然とリフレーミングできるようになっていきます。
ネガティブな出来事に遭遇しても、感情に流されることなく、「こういう風にも捉えられるな」と冷静に他の選択肢が思い浮かびはじめてきます。
やらなければ!と重く考えず、軽いテーマから楽しんでチャレンジし始めてみてください。
それでは、本記事があなたがありたい自分になる道しるべになれば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!

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