障害児育児の「もしも」を安心に変える。相談支援事業所とつながるまで

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※障害児福祉サービスは地域差が大きいため、本記事は2026年1~3月現在の、とある地方都市での体験談としてお読みください。

まそら

こんにちは、笑顔を育むライフコーチのまそらです。

我が家には重度の知的障害と自閉症を持つ小学3年生の息子がいます。
普段は放課後等デイサービス(以下、放デイ)を活用しながら、のんびり生活を送っていました。

しかし2025年の夏、私の緊急入院によって事態は一変。
生活が一気に回らなくなりました。

今回は、この危機をきっかけに相談支援事業所を探しはじめた実録をベースに、探し方のヒントやメンタル維持のポイントをお伝えします。

📝 この記事はこんな方に向けた内容です

  • 相談支援事業所を探し始めようかなと思っている方
  • 突然の体調不良など、家族の「もしも」に備えが必要だと感じている方
  • 相談支援事業所に電話をしたけれど、断られて心が折れそうな方
  • 計画相談と委託相談の違いがよくわからない方

✨ この記事を読むとこんなことが分かります

  • わが家の実録: 入院をきっかけに、相談先を見つけるまでのプロセス
  • つながり方のコツ: 計画相談と委託相談の違いとつながり方
  • 後悔しない選び方: 制度上の知識以上に大切にしたいこと
  • 折れない心の整え方: 断られてもしんどくならないための「捉え方」のヒント
目次

1. きっかけは「緊急入院」。家族の日常がストップ!

学校が夏休みに入った直後のことでした。
体調不良は続き、病院へ行くと、そのまま検査入院に。
新幹線の距離に住む義母に急遽駆けつけてもらい、なんとか家を回すことができましたが、危機感を覚えました。

「もしまた同じように私や夫が動けなくなったら、また生活がまわらなくなる」

心理学の世界では、不安は「準備が足りない」という脳からのサインとして捉えることもあります。
今の我が家には、緊急時への準備があきらかに不足している。
両祖父母は遠方で高齢なためいつも来れるとは限らない。
何らかの公的な、福祉サービスとつながってもしもの緊急時に備えよう。
そう思い、「相談支援事業所」探しを決意しました。

ライフコーチの視点:不安というシグナル
心理学的な観点では、不安は「現状のリソース(備え)が不足している」という脳からの客観的なサインと捉えることができます。
今回の私の入院で生じた不安は、家族を支える「物理的な仕組み」が足りていないということを示していました。
不安の原因となる不足がわかると、その不足を埋めるための具体的な行動(今回は事業所探し)に移し、このシグナルを適切に処理することができます。

2.「相談支援事業所」を探す前に知っておくこと

相談支援事業所とは?

相談支援事業所とは「福祉サービスとお子さん・家族を繋ぐ窓口(コーディネーター)」です。
今回の私のように「予期せぬリスク」に備えるため、養育者の息抜きのため、卒業後の生活安泰のため、など様々な理由で利用されているようです。

    「計画相談」と「委託相談(基本相談)」の違い

    表:計画相談と委託相談(基本相談)の違い

    項目計画相談委託相談(基本相談)
    主な対象就労を見据えた高等部以降や、常に介助・複数のサービスが必要な方普段は家族で生活できているが、必要な時だけプロの知恵を借りたい方
    モニタリングあり(契約が必要。3〜6ヶ月に一度、自宅訪問と計画修正が必須)なし(契約は不要。定期的な訪問はなく、困った時にこちらから連絡する形式)
    サポート内容計画作成・見学同行・各事業所との調整などフルサポート必要なサービスの紹介・仲介。セルフプラン(自作計画)のアドバイスなど
    ショートステイ
    一時支援預かり利用
    可能(窓口として紹介や見学調整・同行もOK。利用に必要な書類・計画の作成)可能(窓口として紹介や見学調整・同行もOK)
    メリット定期的な見直しがある安心感定期的な訪問の負担がなく、必要な時だけ繋がれる
    デメリット定期的な訪問・面談の時間を確保する必要があるサービスの利用計画(受給者証用)は基本的に自分で書く必要がある

    とにかく手厚くサポートしてほしい、安心感が欲しいなら計画相談
    普段は自分たちで回せるけれど、いざという時のバックアップ窓口だけは作っておきたいなら委託相談、という印象。

    我が家は幸運なことに両方の相談支援事業所からOKをもらえたので、考えた結果、『もしも』の備えを最優先し、あえて定期的な訪問がある計画相談を選びました。
    それぞれの家庭の『今』と『未来』のバランスで選んでみてくださいね。

    知っておきたい!相談支援の「地域差」

    ここで注意なのが、地域によって相談の仕組みが大きく異なる点です。

    一般的に、多くの地域では「計画相談」(福祉サービス利用のための計画作成と定期的な見直し)が主流とされているようです。
    しかし、私の住む地方都市では慢性的に事業所が不足しており、計画相談の枠がなかなか空かない現状があります。

    そのため、私の地域では「計画相談」とは別に、市から委託を受けた「委託相談(基本相談)」という窓口があります
    「どちらの仕組みがメインか」「枠にどれくらい余裕があるか」は、お住まいの地域によってバラバラ。まずは自分の地域の現状を知ることが、最初の一歩になります。

    ここからお伝えするのは、計画相談と委託相談が混在した、枠が少ない地域でのお話です。

    3. 実践!電話11件で分かった「新規受付」のリアル

    私は1月の後半を狙って、事業所に電話をしました。
    新年度に向けて人の動き(転校・引っ越しなど)がわかりはじめるだろうという予測からです。
    地域の事業所一覧を手に、順に電話をかけましたが結果は、大半が「新規停止中」でしたが、受け入れ可能な箇所もいくつかありました。

    • 新規受付停止➡7カ所
    • 委託相談ならOK➡2か所
    • 計画相談OK➡1カ所
    • 委託相談・計画相談どっちもOK➡1カ所

    断られるたびにエネルギーを削られますが、ここで大切にしたいのは「落ち込まないこと」。
    断られたのはタイミングの問題であり、私たちが否定されたわけではありません。
    電話を持ったその一歩が、まずすばらしいです。
    ぜひ、自分をねぎらってあげてください。

    ライフコーチまそらの視点:「NO」はあなたへの否定ではない
    電話で断られ続けると、自分や子供が否定されたような気分になるかもしれませんが、単なる相手側の状況(リソース不足)によるものです。
    気持ちがしんどい時は、深呼吸して事実を確認し、「今はタイミングがあわないだけ」「私はよく頑張ってる」など自分に労いの声をかけてあげてくださいね。

    4. 目からウロコ!言葉一つで扉が開く「伝え方のコツ」

    検討中だったある事業所との面談にて、面白いことを教えて頂けました。
    それは相談支援事業所とつながるための電話での伝え方です。

    計画相談と委託相談、両方行っている相談支援事業所の場合には「言葉選び」が、その後の展開を分ける大切な鍵になるようです。

    NG: 「新規の計画相談を受け付けていますか?」
    → 人員の限界から、いっぱいで断らざるを得ない事業所が多い。

    OK: 「とりあえず相談に乗ってほしい(委託相談・基本相談希望)」
    → 市の委託窓口であれば、原則として相談を断ってはいけない決まりがあるため、繋がれる確率が格段に上がる。つながることができれば最初は委託相談でも、状況により計画相談へ変更可能。

    すぐに計画相談が必要な場合は、この方法ではダメですが、とりあえず相談支援事業所とつながりがほしい、あるいは委託相談から、という方はこの伝え方をぜひお試しください。
    実際、一度断られたところでも、この伝え方で面談に繋がったケースがありました。

    5. 最終的に「計画相談」を選んだ決め手

    3カ所面談していただき、我が家は最終的に「計画相談」を契約しました。

    計画相談が決まり喜ぶ恐竜

    我が家の判断基準:将来の「安心」を優先

    3ヶ月に1度の家庭訪問などの負担はありますが、以下の理由で「手厚いサポート」を選びました。

    1. 「もしも」への備え: 何か困りごとがあった時に気軽に相談できる窓口がほしい
    2. 環境変化への対応: 今後、仕事と預かり時間の問題などで問題が起こった時に対応できる環境づくりの専門的アドバイスがほしい
    3. 長期的なサポート: 長期的に息子の変化を見守り、適切なタイミングで提案してほしい

    契約時のヒアリングでは、出生からの歩みだけでなく、「今、息子が一番困っていること(意思疎通の手段)」を共有しました。

    決め手は相談員さんの真摯な姿勢

    最終的にここにしよう、と決めたのは「話を受け止めてくれる」そして「息子個人」を理解しようとしてくれる相談員さんの姿勢でした。

    3カ所面談をしていただき、展開している施設なども含めそれぞれ魅力的でした。
    中には長いことこの業界に携わってきたベテランの方がいて、最初はそこもいいなと惹かれていました。
    しかし、なんとなく、こういう子はこういう感じにしていくのが良いと思う、というこれまでの「パターン」にあてはめて話している印象が残りました。
    もちろん、それは実際にこれまでの経験知からくる確かな知見でしょうし、頼もしいのは確かです。
    しかし、どこか息子自体を私たち家族を見ないで話をしているように私は感じてしまいました。

    ライフコーチまそらの視点対人支援における「ラポール」
    制度上の知識も重要ですが、対人支援の基盤は「ラポール(信頼関係)」にあります。
    情報を受け取る側が「話しにくい」と感じる心理的障壁がある状態では、支援の質は十分に発揮されません。「話しやすい」と感じることは、長期的な支援を円滑に進めるための合理的な判断基準の一つと言えます。

    まとめ:相談支援事業所の安心感と頼もしさ

    緊急入院というきっかけでしたが、結果として信頼できる相談支援事業所を見つけることができました。
    契約後、早速ショートステイの具体的な提案や書類作成のサポートをいただき、「何かあっても、もう一人じゃない」という安心感と共に心がぐっと軽くなるのを感じました。

    探し始めようか迷っている方へ
    「必要かな?」「気になるな」と感じたなら、それはきっとあなたとご家族にとっての「必要なタイミング」なのだと思います。
    複雑で多岐にわたる福祉サービスをすべて個人で把握するのは困難です。
    だからこそ、専門家の知恵を借りることは、家族の笑顔を守るための「合理的で前向きな選択」だと言えます。

    断られて、しんどい気持ちでいる方へ
    今、あなたが感じているそのしんどさは、お子さんのために勇気を出して一歩踏み出し、がんばっているから、がんばったからこその感情です。まずは、その受話器を取った自分自身を、精一杯褒めてあげてください。

    心理学を通すと、世界はもっと広くて面白い。
    そして、福祉の手を借りることで、世界はもっと優しく、安心できる場所になります。

    まそら

    この記事が、誰かの最初の一歩を後押しするものになれば幸いです。
    ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


    【免責事項】
    当ブログの内容は、運営者個人の経験に基づくものです。
    相談支援の仕組み(計画相談・委託相談の有無など)は自治体によって異なります。
    詳細については、お住まいの自治体の福祉窓口や、WAM NET(ワムネット)などの事業所検索サイトをご確認ください。

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