まそらこんにちは。笑顔を育むライフコーチのまそらです。
本記事は、以前の記事で紹介した「真似る」について、前回とは違う角度から説明したいと思います。



わたしたちがより効率よく学ぶためには「真似る」がおすすめって話でしたね!でも、真似るって思ったより難しいです。



そうですね。この記事では脳科学をベースに、「真似る」学習方法の大切さや、大人が子供のような「吸収力」を取り戻すためのヒントをまとめました。まずは、私たちの誰もが経験している「赤ちゃんの学び方」から見ていきましょう。
脳科学から見る「真似る」
本格的な脳科学的な話に入る前に、赤ちゃんの学び方を考えてみましょう。
真似る能力、それは赤ちゃんの頃から発揮されます。
赤ちゃんの学び方
身近に赤ちゃんがいる人はイメージしやすいかもしれませんが、赤ちゃんの成長スピードはまさに驚異的です。
生まれてすぐ、誰かに座学で教えられるのではなく、周囲の大人を「興味津々に真似る」ことで爆発的に成長していきます。
言葉の発音の仕方、歩き方、さらには何気ない仕草まで、赤ちゃんはまるで遊びを楽しむように夢中でコピーし、ぐんぐん吸収するのです。



娘が小さい時、「よいしょ」という私の持ち上げる時の掛け声をいつの間にか覚え、何か持つたびに「よいちょ、よいちょ」と言っててびっくりし、かわいいな~とほっこりするのと同時に、ちょっと恥ずかしくなった記憶もあります。
もちろん最初から完璧にはできませんが、赤ちゃんなりに試行錯誤を繰り返し続けまず。
失敗を恐れず(そもそも赤ちゃんには失敗という考えがありませんが)、楽しみながら真似を繰り返すことで、最終的にはそのスキルが自分に最適な形で定着していきます。
赤ちゃんが大人の動きを真似することを、新生児模倣と言います。
この本能的な「真似る」行為は、脳内の「ミラーニューロン(ものまね神経細胞)」の働きと関連付けられています。
実は、教えられなくても生まれつき備わっている能力なんです。
ミラーニューロン(ものまね神経細胞)
ミラーニューロン:脳内の「共鳴システム」
ミラーニューロンは、1990年代にイタリアの研究チームによって偶然発見され、人間の学習や共感能力を支える鍵として注目されている神経細胞です。
面白いことに「自分が行うとき」と「他人が行うのを見ているとき」のどちらでも同じように活動することがわかっています。
1. 脳内での「代理体験」
誰かがピアノを弾いている姿をじっと見ているとき、あなたの脳の中では、実際に自分が指を動かしてピアノを弾いているときと同じ領域のミラーニューロンが発火しています。
- メリット: 実際に体を動かさなくても、視覚情報だけで脳内に「動作の設計図」が作られます。これが、スポーツや技術習得において「上手な人の動画を見るだけで上達する」理由です。
2. 「意図」を読み取る力
ミラーニューロンは単なる動作のコピーだけではありません。
相手が「なぜその動作をしたのか」という「意図」までをも察知してくれます。
例えば、相手がコップを手に取ったとき、それが「水を飲むため」なのか「片付けるため」なのか、その場の状況などから瞬時に判断します。これにより、言葉を使わなくても相手の次の行動を予測し、スムーズなコミュニケーションが可能になります。
いわゆる阿吽の呼吸はミラーニューロンの働きによるものです。
3. 感情の伝播(共感)
ミラーニューロンは感情の領域(島皮質など)とも深くつながっています。
友人や家族といった誰かが爆笑して楽しんでいる時、ついつられて自分も楽しい気分になったこと、ありませんか?
映画の主人公が衝撃を受け悲しんでいる時、自分も涙が出たことはありませんか?
あるいは誰かが怒ってイライラしているのを見て、自分も気づいたらイライラしはじめたこと、ありませんか?
これらは脳内のミラーニューロンが相手の感情を「自分のこと」としてシミュレーションしているため起こるのです。
ミラーニューロン
「学び」という点では特に1. 脳内での「代理体験」が大切な働きで、これが「真似る」は「学ぶ」につながる理由となります。
私たちが持っているこのミラーニューロンのすばらしい特性、活かさない手はありませんよね。
ただ、ここまで読んで疑問に思った人もいるかもしれません。
赤ちゃんは確かに驚異的なスピードで様々なことを吸収し、成長するけれど大人になった今、そこまでの能力はない気がする、と。
まさにその通り。実は子供も大人もミラーニューロンはあり、基本の働きは一緒ながら確かな違いがあることもわかっています。
大人と子供のミラーニューロンの違い
1. 「吸収モード」と「選別モード」
子供(全吸収型/無意識的学習)
子供の脳はまっさらなスポンジです、良くも悪くもなんでも吸収します。
見たこと聞いたこと感じたこと、すべてをミラーニューロンを通じてコピーしようとします。
善悪や効率の判断をおこなう「前頭葉」が未発達なため、すべてをダイレクトに、しかも深く脳に刻み込みます。
「子供は親の背中を見て育つ(悪い癖まで真似る)」なんて言葉もありますね。



三つ子の魂百まで
3歳ごろまでに身に着けた性格や気質は100歳になってもあまり変わらない、という意味のことわざです。
小さな子供が大人の言動や思考をミラーニューロンによってまるっと無意識部分にまでしっかり学習して定着する、ということを表現しているようにも思いますよね!
大人(選別・抑制型/意識的学習)
対して、大人は成長を通して様々な経験をしてきました。
その中で私たちは無意識のうちに選別したり、抑制する、という能力を身に着けます。
前頭葉の発達によるもので、「好き⇔嫌い」「良い⇔悪い」「これは真似すべき⇔これは不要」など、無意識にフィルターにかけて選別します。
例えば「タバコのポイ捨て」。
これは良くないことである、と学んできたため、その行為を目の当たりにしてもそれは真似しない方がいいと無意識に判断するし、真似もしません。
この選別・抑制機能は、時に学びのブレーキにもなってしまいますが、生きるのに必要な社会性であり、自分を守るための賢さでもあります。
なので、「純粋に真似て習得する」効率は子供に比べてどうしても落ちてしまうのです。
「私にはできない」「むずかしそう」そんな思考がよぎり、チャレンジをやめてしまった覚えがある方も多いのではないでしょうか。
2. 神経の「可塑性(かそせい)」の差
「可塑性」とは、脳の回路が書き換わりやすさのことです。
子供のミラーニューロン
ミラーニューロンが反応して「自分もやった気になる」と、そのまま新しい神経回路がスピーディーに形成されます。
大人のミラーニューロン
すでに出来上がった「自分のやり方(既存の回路)」が強固なため、ミラーニューロンが反応しても、新しい回路として定着させるには反復練習が必要になります。
大人になってからの「真似るコツ」
こういった理由で大人のミラーニューロンは、赤ちゃんのように自動的にはフル稼働しません。
しかし、少し意識するだけで子供の頃のような高い学習効率を意図的に引き出すことが可能と言われています。
✅「ワクワク」をスイッチにする
「やらなきゃ」という義務感はミラーニューロンの活動を抑えてしまいます。
講座や練習を「大人の遊び」「新しい楽しみ」と捉え直すだけで、脳の吸収率は劇的に変わります。
✅「理屈」の前に「観察」を
まずは憧れの人、真似をしたい人の動画や動きをぼーっと眺めてみてください。
ミラーニューロンは、リラックスしている時ほど、相手の動きを素直に写し取ってくれると言われています。
赤ちゃんがお母さんやお父さんをまるっと真似しようとするように、脳に設計図をダウンロードさせる時間を自分に許してあげましょう。
「なぜ?」という分析や判断は一旦保留です。
✅「なりきり」を楽しんでみる
「私はあの人だ」と思い込んで振る舞う。
少し恥ずかしいかもしれませんが、この「ごっこ遊び」こそが、大人の凝り固まった神経回路を書き換える特効薬となります。



実際、その通りだろうなぁと感じる瞬間があります。
これまで様々な心理学の講座を担当してきましたが、楽しそうにワクワクと受講されている方は、内容を吸収するのが早く、実践式のワークを行った時もどんどんチャレンジをして力を伸ばしていっている印象です。



楽しむのって大事なんですね



今ではもったいないことをしたな~と思っているのですが、私は受講生の頭でっかちな知識優先の学び方をしていました。
ワークはあまり好きではなく、とりあえずこなしていた感じで、正直身についていなかったと思います。



え。そうなんですか??どうやって今のようにNLPのスキルやテクニックを使えるようになったんですか?



幸いなことに、メンバーに恵まれ、仲間内で勉強会をたくさん開催しあったんです。
勉強会では、講座、という枠から外れて気軽に、しかも中の良いメンバー内だったので楽しくワークができたんですよね。
ああじゃない?こうしたらいいんじゃない?なんてお互いに意見を出し合いながら和気あいあいと進む中で、色んなスキルやテクニックを試すことができました。
おかげで当時、かなり基礎力が自然と磨かれたと思います。



まさに赤ちゃんの学び方……!
✨ まとめ:今日からの「ミラーニューロン」活用術
あなたが子供の頃、時間を忘れて没頭したものは何でしたか?
その時の「純粋に楽しむ感覚」こそが、大人になったあなたのミラーニューロン能力を開放する鍵です、
「学ぶ」の語源は「真似ぶ」。
難しい理屈は横に置いて、まずは深呼吸。
お手本にしたいあの人を、大好きだった遊びを思い出すように、「真似る」ことから始めてみませんか?
あなたの脳には、新しい自分にアップデートするための素晴らしい力が、今もちゃんと眠っているのですから。



それではここまでお読みいただきありがとうございました。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。

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